期間利益の計算方法

前回は貸借対照表と損益計算書の構造についての話でしたが、今回は会計期間が絡んだ期間利益についての説明です。

企業の最終的な目的は、利益の追求の一言につきるのですが、この利益を計算する方法には、「財産法」と「損益法」の二通りの方法があります。

財産法は貸借対照表を用い、損益法は損益計算書を用います。

○○法とか言ってますが、そんなに難しくありませんから、かまえないで、気楽に読んでくださいね^^

それと財産法、損益法、貸借対照表と損益計算書の関係のページは簿記の仕組みとしては大切な概念なので、基礎知識として載せてあるのですが、簿記3級の試験に直接出題されることはありません。時間がない方は仕訳1のページに進んでください。

財産法

利益の計算の一つめの方法は、財産法という方法です。

財産法とは、会計期間の期首にあった純資産(正味財産額)と、当期末に残った純資産(正味財産額)を比べることで、純利益と純損失(合わせて純損益といいます)を明らかにする方法です。利益を計算する方法の一つです。

  • 期首貸借対照表
    500
    300
    200
  • 営業開始経済取引営業結果
  • 期末貸借対照表
    1000
    600
    400
前期
当期
次期

一年間の会計年度が終了して、貸借対照表の期末純資産が、期首の純資産より増えていれば、儲かった(利益)ということになり、逆に減っていれば赤字(損失)だったことになります。

このように、過去に作った書類と、現在の書類とを見比べれば純損益、結果、利益を知ることができますね。

このことを計算式にすれば、以下のようになります。

財産法の計算式

貸借対照表の期首の資本と期末の資本に注目します。

期末純資産期首純資産純損益

これで当期の利益がでるんですね。

そしてこの計算式は、前回お話した資本等式とを組み合わせることによって、細かくすることができます。

期末純資産は、期末資産から期末負債を引いたものと同じで、期首純資産は、期首資産から期首負債を引いたものと同じなので、

  • ( 期末資産-期末負債 )※期末純資産
  • -( 期首資産-期首負債 )※期首純資産純損益

と同じ意味の式がもう一つできます。

また、上の図の場合でこの式をあてはめてみると、( 1,000 - 600 ) - ( 500 - 300 ) = 200ということで、期末貸借対照表から期首貸借対照表を引くことにより、期間中になんだかんだ取引をして、結果200円儲かった、というふうに会計期間中の利益・損失が計算ででるようになります。

これが純損益計算の一つ、財産法による純損益の計算です。

期首と期末の貸借対照表を比較することによって、財産の増減、純損益がわかるんですね。

しかし本来、貸借対照表というのは、一定時点の財産状態を表すためのものですから、実際の会計期間の営業活動の中味、どのように純損益が発生したのか過程がわからない、というデメリットがあるんですね。

本当はもっと、うまくやれば儲かっていたのに、残念!なんてことになっているのかもしれないんです。