約束手形

手形を振出した時の簿記処理

 ・ 振出人の場合
 四国商店は商品代金の支払いがきっかけで、「支払いはちょっとまって」と約束手形で支払いをしようとしています。 その債務者である四国商店が手形を振出したばあいの仕訳は、
 
 
(借方)仕   入300,000
 
(貸方)支払手形300,000

 
 このようにされます。商品の仕入れのために手形を振出したのですから(原因)、 借方の勘定科目は仕入になります。
 
 また、手形を振出した時の勘定科目は、支払手形勘定科目(負債)を使用します。 なぜ負債なのかというのは、二ヶ月待つということで、四国商店は支払う義務を負っているからですね。 債務があるというのは、負債の勘定だったんだと、5勘定の所でやりました。 支払手形という負債が増えたということになります。(結果)
 
 
 ・ 名宛人の場合
 今度は関東商店側の仕訳です。関東商店は、支払いを受取る権利がある債権者ですね。 「しかたないけど、支払いは少し待ってあげよう」 と、商品を売上げた代金を手形で受取ることになります。 そのときの仕訳は
 
 
(借方)受取手形300,000
 
(貸方)売   上300,000

 
 とこのように、手形の処理は、受取手形勘定(資産)を使います。
約束手形を振出す側は、支払手形勘定、受取る側は、受取手形勘定で処理をします。
 
 試験問題では約束手形という言葉で出題されますが、 簿記では債権者・債務者の場合ごとに支払・受取手形勘定科目というふうに使い分けることになります。 約束手形勘定科目というのは使わないんですね。
 
 

手形を決済した時の簿記処理

 さて、約束手形を振出して二ヶ月が経過し、7月15日に手形の決済日が来て、 関東商店が実際に手形を銀行に持ち込むか、取立依頼をするかして、 口座から引き落とされるという流れになります。
 
 また支払い、この引き落としという取引は通常、銀行口座を通して行われます。 というわけで、手形や小切手を支払った時の相手勘定科目は、決まって当座預金勘定なんですね。
 
 
・ 振出人の場合
 振出人は四国商店側のことで、銀行口座に支払い金額を満たす額の現金も入金してあると考えて、 無事に決済された時の仕訳です。
 
(借方)支払手形300,000
 
(貸方)当座預金300,000

 支払手形という負債が消えると同時に、当座預金という資産も減るというかたちになります。
 
 そして同時に代金を支払わなければならないという債務も消滅することになります。
 
 
・ 名宛人の場合
 今度は関東商店側の仕訳です。
 
(借方)当座預金300,000
 
(貸方)受取手形300,000

 銀行へ商品を売った代金額の約束手形を銀行へ呈示して、 当座預金口座へ無事に振り込まれたというかたちになります。
 
 取引の要素としては、名宛人の受取手形という資産が減るかわりに、 当座預金という資産が増えるという仕訳になります。
 簿記では約束手形の区別をつけるために、約束手形が債務として振出されれば、 支払手形勘定科目を使用して、債権として受け取るときは、 受取手形勘定科目を使って処理をするということになります。
 
 法律上は、振出しも受取りも同じ約束手形を使用しています。 証券としての支払手形というのは存在しないんですね。
 
 なぜこのようにわざわざ分けたのかというと、 受取手形勘定科目、支払手形勘定科目と分けることによって、 受け取ることができるお金がある、支払わなければいけないお金がある、ということが 分けられた状態で帳簿に記帳されているので、あとでみた時に わかりやすいからなんです。
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