有価証券

企業は景気が好調な時など、業績が上向いて企業の資金に余裕ができ、その資産をふやす利殖目的で、企業は一時的に株式、社債などを保有する時があります。それらは現金勘定などとは別に、有価証券勘定を用いて記帳します。

簿記上の有価証券は、株式会社が発行する株式や社債、国や地方公共団体が発行する国債、地方債などのことをいいます。また社債、国債、地方債などをまとめて公社債といったりします。

ちなみに法律上、商法上の有価証券は、もうすこし範囲が広く、小切手や手形も実は有価証券の範囲にふくまれていて、ほかにも換金前の当たり馬券、テレホンカードなども法律上は有価証券に含まれています。価値が有る証券ということですね。

もちろん今勉強しているのは、簿記の世界のなかでの話ですから、株式、公社債は有価証券勘定を使用し、小切手は現金勘定、手形は受取手形勘定、支払手形勘定で処理をしていきます。

とりあえず株式と公社債は別物だ、くらいでいいです覚えておきましょう。

なぜ株式や公社債をその団体は発行するのかというのと、お金が必要だからです、株式や公社債はどちらも財務目的、資金を調達して運用する目的で発行しているんですね。

株式は会社の株主になる権利を売るかわりに資金を調達しています。公社債はその団体の借金みたいなものですが、借金をして資金を調達しています。

そうして調達して得たお金を使って新しく機械設備を買ったり、支店を作ったりと投資をしてより大きな利益を得ようと努力しているんですね。

ちなみに借金は借用書を書いてお金を借り、そのかわりに利息を支払うのでした。その借用書が社債に当たります。大雑把にいうと、公社債は借用書を売り買いしていることになります。

有価証券を所有する利点

逆もまた然りで、なぜ企業が有価証券を保有しようとするのかは、やはりお金が欲しいという利殖目的だからです。

株式を買うにはにはどういう利点があるかというと、株式会社の株主になれるということです。企業は他の企業に自分のお金を出した、出資したことになります。

もちろん人間(自然人)以外でも、企業も法律上、人(法人)ですから、企業が企業を買うという、少し「??」な違和感は感じはしますが、企業は株や社債券を買うことはできます。

株主になることは、株主固有の利益を受けることができます。
具体的には、利益をあげている、儲かっている企業の株主で、そしてその企業が配当を出す企業であれば、株主の権利として配当を受取ることができます。

また他にも、その出資した企業の株価が買った時より値上りしていれば、株を売却した時の利益、売却益を得ることができます。またその企業の商品を購入する時、株主だけ割引を受けることができたり、株主だけの優遇を受けることができる特典など、いくつかの株主の権利があったりします。

また、その企業の株式を全部買い占めて、自身が大株主になりその企業を完全に支配して、自分の有利になるように利益になるように働きかけて、言うことをきかせて儲けよう、とすることもできます。

一方、公社債の場合は、国や地方公共団体などの一種の借金になります。国や地方公共団体が、10年もの、20年もの、と長い期間にわたって債権を発行します。公社債を購入した人は、国や地方公共団体にお金を貸し付けているのと同じことになるので、公社債を持っているあいだは、利息を受取ることができるという利点があります。

企業が倒産した時や、購入価格よりも時価が下がってしまう元本割れなどのリスクはありますが、株券や公社債券を持つことによって、企業はなんらかの利益を手にすることができるんです。なぜ企業が有価証券を持とうとするのかは行きつくところ、資金を運用して、利子・配当による収益のインカムゲインや、資産価格の値上りによるキャピタルゲイン、また事業拡大をするため、株式会社支配目的の株式取得など、結局のところ、今寝かせてしまっている、あまった資金を、運用して儲けようという目的があるからなんですね。

    • 株式
    • ・・・・・・
    • 配当金、売却益
    • 公社債
    • ・・・・・・
    • 利息

この章では企業が資金を提供して有価証券を受け取ったとき、どのようにして有価証券の処理をしたらいいのか、という話になります。

ちなみに株式を発行したりとか、社債を発行したりする側の逆の立場になった時の処理は簿記2級で登場します。

有価証券の種類

簿記上の有価証券は、所有目的によって、売買目的有価証券、満期保有目的債券、子会社・関連会社株式、その他有価証券に区分されます。

有価証券の種類
簿記上の有価証券売買目的有価証券
満期保有目的債券
子会社・関連会社株式
その他有価証券

すべて同じ有価証券ですが、簿記上というよりは会計上では所有目的によって区分がわかれていて、処理する時にあつかいが変わるんですね。

色々ありますが、簿記3級での有価証券は短期売買目的の有価証券のみ、利殖目的でキャピタルゲインをねらって購入・売却した時の有価証券のみを学習することになります。

そしてインカムゲイン目的の満期保有目的債券、会社を支配する目的で取得した場合の、子会社・関連会社有価証券、それ以外の目的のその他有価証券は2級以降で学習をすることになります。

売買目的有価証券

売買目的有価証券とは何なのかというと、高い値段で売って儲ける目的の有価証券です。株をしている方はわかると思いますが、有価証券の値段は株式であれば株式市場など、公社債なら証券会社や金融機関などで日々刻々と株式または公社債の値段が上がったり下がったりして動いています。この仕組みを利用すれば、安い値段の時に有価証券を購入し、高い値段になったとき有価証券を売却すればその差額の分が儲けになります。

そして企業は、短期的に何度もなんども売買を繰り返し、儲けようとすることになります。(逆に損してしまうこともあります)

売買目的有価証券は、短期売買行為を行なっている最中に、いまだ売却されずに企業内に残っている証券が売買目的有価証券になります。

銀行で高い利率の定期預金をしている時よりも、それよりもリターンが大きかったりするんです。ハイリスクハイリターンなんですね。2倍4倍はざらにあります。そういった理由で、企業が株式や公社債をもつことは、資金運用をするための一つの手段になるんですね。商品を売る商売をしなくても儲けることができてしまうんです。なお株式は、取引所で売買され、市場性のあるものに限られます。有価証券がすぐ売れないとダメなんですね。