前払金・前受金

ちなみに、掛の取引の場合は、商品は渡っていて、代金がまだというケースでしたね。

どちらにしても、お互いにおたがいの債権・債務を持っているという状態が内金・手付金になり、この状態をどのように簿記で記録をしていくのかが問題になります。

では例題を。

  • 【例題】
  • 6月10日 岡山商店は、山口商店より、商品500,000円の注文を受け、内金として200,000円を現金で受け取った。


    6月17日 山口商店は、岡山商店から注文していた商品を受け取り、前払金との差額は掛けとした。


    このときの岡山商店、山口商店それぞれの仕訳をしなさい。

問題文は、山口商店が商品の注文をするために、岡山商店へ予約金を支払い、後日受け取ったという内容ですね。

予約金受取時・支払時

この時点では、予約金を受け取ったというだけで、岡山商店は商品の引き渡しも、商品代金のすべての受取りも、うけていないので、売上にすることはできないんです。

また同様に、山口商店も仕入勘定科目に含めることができません。

ということで6月10日の岡山商店、山口商店の仕訳は

岡山商店6月10日

  • (借方)
  • 200,000
  • (貸方)
  • 200,000

山口商店6月10日

  • (借方)
  • 200,000
  • (貸方)
  • 200,000

このように、仕入・売上勘定科目は使わないで、支払った岡山商店は前払金(資産)、受け取った山口商店は前受金(負債)勘定科目をそれぞれ使用して仕訳をします。

このように仕訳をすると、予約金は資産、負債として記録されることになり、岡山商店は商品を引き渡さなければならない債務、山口商店は商品を引き渡すように請求する債権があるんだなということが貸借対照表をみたときわかるんですね。

商品引渡し時・受取り時

そして6月17日に実際に商品の受け渡しが行われたということで、この時点で改めて売上、仕入に含めることになります。

岡山商店6月17日

  • (借方)
  • 200,000
  • (貸方)
  • 500,000
  • 300,000

山口商店6月17日

  • (借方)
  • 500,000
  • (貸方)
  • 200,000
  • 300,000

岡山商店は、債務だった前受金勘定科目を借方に、山口商店は、支払っていて債権の状態だった前払金を、貸方に記入します。

こうすることにより、前受金・前払金は口座上ゼロになり、残りは受け取った現金と、売掛金、買掛金、売上、仕入という商品売買のおなじみのパターンになります。

以上が前払金・前受金の簿記処理についてでした。