棚卸表

決算整理に行われる決算整理事項は棚卸表という一覧表にまとめて作成されます。

この棚卸表は簿記の中でいったいどのような役割をするのかというと、たとえば決算をする時点で帳簿上の残高というのは色々な原因で必ずしも正しい金額を表していなかったりしています。

ですが、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表は、正しい金額を記載されていなければいけませんね。

そこで決算整理をしなければいけないということは、決算のページで触れた通りですが、その実際の残高と一致しない原因などの内容を記載しているのが、棚卸表になります。

棚卸表には商品の数量、単価、金額などといった決算整理をするための、決算整理事項をもれなく列挙して、そして作成された棚卸表に基づいて、決算整理仕訳をするというながれになるんですね。

決算整理事項の修正指示表一覧というイメージです。

では、棚卸表をどのように作成するのかというと、あたりまえですが、商品の場合なら、棚卸しなどを行って、実際に数量を数えるなど、帳簿から離れて、実地調査をして作成することになります。

実地調査に基づいて元帳の残高が正しくなるように、決算で修正すべき項目を棚卸表に書き並べていきます。

ちなみに、棚卸表に記載される、3級で学ぶ主な決算整理事項は

  1. 現金過不足の処理
  2. 商品の棚卸
  3. 債権の貸倒れの見積り
  4. 有価証券の評価
  5. 固定資産の減価償却費の計上
  6. 収益・費用の見越し・繰延べ

などがあります。

このうちの、1・2・4・5は学習済みですね。

まとめておぼえられないと思いますが、いくつか項目があっても、これらはすべて帳簿残高と実際残高の間が、互いに離れた状態にあるという点で、共通して挙げられているところがポイントです。帳簿と実地との差なんていいます。

たとえば、現金過不足のページでも説明したように、金庫の中を実際に数えてみて、帳簿上の現金の金額が多くても、また逆に少なくてもいけないんですね。

また、棚卸表が作成されるタイミングというのもポイントです。決算書を作成してあとに棚卸表をつくってしまってもムダですね。順番としては、決算整理の前に行われることも知っておいてください。

試験には直接聞かれることはないと思うので、こんな表もあるんだ程度に留めておいてください。