総合原価計算の計算方法-月末仕掛品がある場合

総合原価計算の計算方法

月初に仕掛品がなく月末に仕掛品がある場合

前節では投入した原価がそのまま完成した場合を学習しましたが、通常は当月投入した費用がすべて完成するのはまれで、大体は月末に未完成品として残ることの方が多いです。

製品を生産していて、月末になったのでベルトコンベアのスイッチを切ったら、ライン上に製品の未完成品が残っていて、この残った分が月末仕掛品のイメージです。月末仕掛品があるときと無いときで完成品1つあたりの金額がどのような違いになるのかも注目しながら学習します。

そして月末に仕掛品がある場合の考え方ですが、単純に考えてコンベア上に残った未完成品1個と完成品1個とでは、原価の金額は違うはずです。なので総合原価計算では、完成品原価と月末仕掛品原価を分けて計算することになります。さらに直接材料費と加工費も分けて計算するので、2×2通り箇所計算することになります。

月末仕掛品原価の金額をどう決めるかということを評価といいますが、月末仕掛品原価の評価が重要になります。

  • 例題
  • 当社は製品を大量生産している。次の資料により、月末仕掛品原価、完成品原価、完成品単位原価を計算しなさい。

    [資料]

    1.生産データ
    月初仕掛品0個
    当月投入210
    合計210個
    月末仕掛品60(50%)
    完成品150個
    2.原価データ
    直接材料費加工費
    月初仕掛品0円0円
    当月投入90,300円63,000円

    括弧内の数値は加工進捗度を示す。
    材料はすべて工程の始点で投入している。

    完成品原価     円

    完成品単位原価   円

    月末仕掛品原価   円

解答
  完成品原価   117,000円
  完成品単位原価 780円/個
  月末仕掛品原価 36,300円

生産データの見方は先ほどと同じです。月末に未完成の製品がある場合は、先に月末仕掛品原価を評価し、総製造原価から月末仕掛品原価を差し引いて、差額で完成品原価を求めます。

  • 完成品原価総製造原価月末仕掛品原価
  • 完成品単位原価完成品原価÷完成品数量

材料費の按分計算

直接材料費は始点で投入されているので、進捗度がいくつであっても月末仕掛品原価の個数1つと完成品原価の個数1つは同額になります。

仕掛品-直接材料費
当月投入
210個90,300円
完成
150個64,500円
月末仕掛品
60個25,800円

なので材料費は、完成品と月末仕掛品の数量の合計で割って、数量の割合で配分すればいいということになります。具体的な計算は、まず月末仕掛品を求めます。

(直接材料費)月末仕掛品:(90,300円÷210個)×60個=25,800円

(直接材料費)完成品  :90,300円-25,800円=64,500円

基準では完成品原価は当月投入を月末仕掛品から差し引くかたちで求めるようにするのが原則ですが、数量をかけることでも完成品原価を求めることができます。

(直接材料費)完成品  :(90,300円÷210個)×150個=64,500円

この方法で計算できることも覚えておいて下さい。月末仕掛品は数量の割合で配分するのがポイントです。

加工費の按分計算

加工費も完成品と月末仕掛品(未完成品)とに分けて計算します。加工費は作業が進めが進むほどかかる原価ですから、未完成品の月末仕掛品がある場合、月末仕掛品と1つと完成品1つでは、単位当たりの数量は異なります。

なので、完成品からみて何個分に相当するか完成品換算量★1を計算して、完成品と月末仕掛品に数量の割合で按分する必要があります。

仕掛品-加工費
当月投入
180個63,000円
完成
150個52,500円
月末仕掛品
30個10,500円

例題の場合は加工費の進捗度が50%となっているので、月末仕掛品は、完成品から見て50%相当分の数量があるとみなされ、実際の月末仕掛品の数量は、60×0.5=30個で、月末仕掛品の完成品換算量は、30個だとみなされます。

そして完成品150個を足すと、当月は150個+30個で180個分の加工費の投入があったとみなされます。完成品換算量というのがポイントです。勝手に数字を変えていいのかと思われるとおもいますが、加工費は換算して数量を求める、計算上の数値なのでいいんです。加工費は完成品から見て、180個分の投入しかしなかったという状況です。

あとは材料費と同じように今月投入分の原価を数量の比で按分してあげれば、完成品原価が出ます。月末仕掛品から計算して、

(加工費)月末仕掛品:(63,000円÷180個)×30個=10,500円

(加工費)完成品  :63,000円-10,500円=52,500円

別解(加工費)完成品:(63,000円÷180個)×150個=52,500円

ボックスで計算することによって、材料費と加工費の完成品原価と月末仕掛品原価がわかりました。そしてここも前の節の時と同じように、完成品原価を計算します。

完成品原価:(直接材料費)64,500円+(加工費)52,500円=117,000円

完成品単位原価:117,000円÷150個=780円/個

月末仕掛品原価:(直接材料費)25,800円+(加工費)10,500円=36,300円

加工費の月末仕掛品数量の求め方は、換算する手続きがある分すこし難しい感じがします。ボックスの左から反時計回りにグルッと計算されるんですね。左からグルッというのは加工費のパターンなので何度も問題を解いて慣れてしまって下さい。