簿記の意義

簿記とは、という引用から、実際に簿記固有の内容・概念を知ってもらいます。

前回学んだ、全体の流れと組み合わせてもらうと、一定の軸足ができ、簿記の世界に深みがでてくると思います。

簿記とは‥

すぐ取引についての話に入りたいのですが、その前に少しまっていただいて、簿記とは、という引用からです。

簿記とは、経済主体の諸活動を貨幣的または物量的な数値をもって把握し、記録計算を行う技法である。

何を言っているのかよくわからないですね。そこで、すこし文章をかみくだいてみます。

「経済主体の諸活動」
とありますが、経済主体は簿記3級の場合に限っていえば、企業のことですね。諸活動というのは、ひらたく言えば企業の仕入れ、売上げ、給料の支払い、などの、営業活動全て、といいかえることができると思います。

「貨幣的または物量的な数値をもって把握」
貨幣はだいたい、円ですね。物量的な数値とは、何々個とかキログラムとかで、ある範囲の中で把握することができる数量のことですね。

「記録計算を行う技法」
計算や記録を行う技術なんだな、と。計算といえば足したり、引いたりの四則計算のことですね。記録は、その状態を残しておくための行為、この場合状態にあたるのは、営業活動のことで間違いはないとおもいます。

以上、かみくだいてみてみましたが、まとめて、いいなおしてみると、

「簿記とは、仕入れ、売上げ、給料の支払いなどの、企業が活動した動き全てを、円や個などの数の単位を使って、足したり、引いたりと計算をして、あとで見るために、記録をして、残しておく技術上の方法」

といいかえることができるとおもいます。

この文章の中で、大事なところは、「記録をする」というところでしょうか?

これはかなり乱暴な例になりますが、あるお店が営業目的で購入したりんごを、一定のルールで記録をしたものは、全て簿記に該当するということになるんですね。

なんとなくですが、簿記は企業の活動を対象として、記録をしていく行為なんだな、ということがわかっていただけると思います。

経済活動
計算整理
記録

この文章の意味がわかれば、この先の勉強の方向性が見えてくるので、お話をしました。

これから簿記の中の何を勉強すればよいのか、学習の輪郭がぼんやりわかることになるんですね。

「企業の諸活動」は

どのような、範囲、方法、状態、含む、含まない、

「計算・記録」は

方法、含む、含まない、どのようなタイミングで、記録媒体は、

などといった細かい内容をこれから学習べばいいんだ、ということになります。