損益計算書

損益計算書は、ある期間の一点の状態を明らかにした貸借対照表とはちがい、ある一定の会計期間の営業活動の全体を数量として捉えて作成したものが損益計算書になります。

損益計算書を作成することによってなにがわかるのかというと、その一定期間のあいだの総費用と総収益を比較して、どれだけの利益または損失があったのかを知ることができます。

日々の営業活動から生じた費用は費用の勘定へ、また収益は収益の勘定へ、それぞれ一定期間全てまとめて集計して、総収益から総費用を差し引いて最後に残った差額が、当期純利益または当期純損失になるという仕組みです。

そして、一定期間の営業成績が明らかになったわけですから、その書類を報告書として提出すればいいんですね。

イメージとしては、損益計算書だったら、企業の日々の取引を、期間という線で把握したもので、貸借対照表の場合は日々の取引を、点で把握をしているといったところでしょうか。

貸借対照表でみたときと同じように、損益計算書に属する勘定口座の動きをみてみましょう。

7
150,000
17,500
6,000

売上勘定口座を例として挙げます、売上は173,500円貸方残高です。

貸借対照表項目ならここで現在の残高イコール資産として把握をされるのですが、損益計算書項目(P/L項目)の場合だと、売上ないしは収益の金額をいわれてもいまいちピンときませんね。

単に売上があったとして、実際に儲かったのか、利益がでているのかどうかは、これだけではまだわかりません。かといって、そのまま放置するわけにもいきません。

そこで解決策として、誰か考えたのかわかりませんが、利益と費用を一つにまとめて集計するための勘定科目を新たに設けることを思いついたんです。

この集計専用の勘定科目を損益勘定科目(または損益集合勘定科目)といいます。こうやって、費用・収益の全てをまとめておけば、ある一定期間のあいだの収益と費用から、利益または損失を知ることができるんですね。

損益勘定科目は決算時に集計をするための勘定なので、貸借対照表・損益計算書のどちらにも登場しません。

総勘定元帳の中の勘定口座として、別に作成しておいて、損益計算書項目(P/L項目)全てを損益勘定科目に集計して、期間の利益または損失を把握します。損益勘定は特殊な勘定科目ですね、一回使い切りってところでしょうか。

そして、ある勘定科目から、ある勘定科目へ金額を移すことを振替といいます。

また、この費用・収益に属する勘定を、損益勘定科目に移す手続のことを、損益振替手続といいます。損益振替手続は振替の連続なんですね。

<損益振替手続>

損益の振替

そして、損益振替手続を経た損益勘定科目の内容が、そのまま損益計算書になります。

費用・収益の損益計算書項目(P/L項目)は、科目の意味が直接的に伝わりづらい分、貸借対照表より手続が一手間あるのが特徴ですね。「全体を数量として捉えて作成する」なんて変な言い回しだし・・・・。

損益計算書

損益計算書は損益勘定科目を主な資料として作成されます。(※科目名・金額は適当です。)

ということで損益計算書の場合、表題の次の日付が「○年1月1日から○年12年31日まで」、というように一定の期間を示しているのが特徴です。貸借対照表は締め切った日、(決算日当日)の日付でしたね。

損益計算書の作り方

損益計算書は、費用・収益の損益計算書項目(P/L項目)から損益振替手続を経て作成された、損益勘定科目の内容が、そのまま損益計算書になります。

また、貸借対照表の時と同じように、精算表の修正残高試算表欄からも抜き出して作成することもできますね。

そして、損益計算書にも見やすくするための配慮が1点、

  1. 総勘定元帳の勘定科目の変更
      • 売上高
      • 売上原価
      • 前払保険料
      • 前払費用

かなりかけあしになってしまいましたが、 とりあえず簿記独学講座はここで終了になります。 質問・疑問・感想・要望などなど、掲示板にでも書いていただければ幸いです。