有形固定資産

企業が所有する資産は、現金、繰越商品、売掛金、受取手形、短期の貸付金などいろいろな資産があります。このいろいろな種類の資産のうち、たとえば売掛金のように、短期間(通常1年以内)に換金される資産を流動資産といいます。

これに対して、営業で長期間(通常1年以上)にわたって所有する資産を固定資産といい、またそのなかでも、建物・備品・車運搬具・土地などの具体的に形がある資産を有形固定資産といいます。

  • 資産 ─┬ 流動資産
  • └ 固定資産
      • ├ 有形固定資産
      • ├ 無形固定資産
      • ・・・
      • 簿記2級の範囲
      • └ 投資その他の資産
      • ・・・
      • 簿記2級の範囲

資産は現金や売掛金など多種類ありますが、流動資産と固定資産に分けられる大まかな違いは、「購入金額が多額」ということと、「長期にわたって営業用に使用しつづける(販売を目的とした商品ではない)」、ということが流動資産との違いです。

また固定資産のなかの投資その他の資産や無形固定資産などの分類は、簿記2級の範囲なのでとばします。

また資産のうち、固定資産は1年以上にわたって長期間保有・使用し続けるので、決算を何回か経ることになり、そのため決算日に減価償却という仕訳が必要になるのが特徴です。

有形固定資産の種類

固定資産のなかでの有形固定資産は、どの商店や企業でも使用している一般的な物(ぶつ)が対象になり、具体的には、備品、車両運搬具、建物、土地などが有形固定資産として扱われます。

そして簿記3級で登場する主な有形固定資産は、いったいどのような種類があるのかというと、

備品
営業用の机、椅子、金庫、コンピュータなど
車両運搬具
営業用のトラック、乗用車、オートバイなど
建物
店舗、事務所、工場、倉庫など
土地
営業用の土地や店舗、事務所、倉庫、社宅用の敷地など

種類はおぼえなくていいですよ、簿記の問題を解いていれば自然に覚えますから。

このように簿記3級で登場する有形固定資産は、主に4種類あります。

その種類ごとに勘定科目をもうけて、取得に要した費用、取得原価を勘定科目とともに記帳をしていきます。

営業用のトラックを購入した場合の勘定科目は、車両運搬具というように、名称がそのまま勘定科目名なります。たまに車両と似た表現で出題されたりもしますが・・

なお、実務での備品の扱いですが、簿記上備品に該当するのは耐用年数が一年以上で、総額のもの、(税法では200,000円以上)が備品として扱われます。この条件をみたさないものは消耗品勘定で処理をします。例えば、パソコンは値段が高く長期で使い続けるので備品ですが、コピー用紙は消耗品勘定で処理をされることになります。